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一つとして同じものがない中古住宅や土地といった流通物件と呼ばれる現に存在する不動産を取り引きする場合には、不動産会社が調べたこの重説が果たす役割がさらに高まります。
いうまでもなく不動産の購入は、一生にそう何度もない人生の大事です。
大切な資産形成でもあるわけですから、この説明は一言一句聞き漏らさないようにしてください。
場合によっては説明に1時間以上かかることもよくありますが、購入しようとしている不動産がどういう物件なのか、今後その不動産を使っていくうえで支障となるようなことは本当にないのかなど、安易に分かったつもりになって書類を受け取り、署名・捺印しないことが大切です。
不動産会社によっては、この重説を売買契約の直前に行うところもありますが、行政は契約の1週間前の実行を求めています。
重説に疑問があったら契約を延ばす勇気も時には必要ですから、できれば重説は契約より数日前に行うのが望ましいといえるでしょう。
なお、重説は通常、宅建業法の定めにより買い主や借り主に対して行われるものですが、売買の場合には売り主も聞いておくことをお勧めします。
不動産のプロが自分の財産に行った分析の結果を聞くことは、今後の不動産取引で大いに参考になるはずです。
一般消費者に最も馴染みの薄い存在が売買契約害です。
これに署名・捺印すると「債権・債務」という法律上の重い責任が発生することになります。
「特記事項」と呼ばれる、その不動産固有の取引特性に応じたオーダーメードの条文をよく確認しましょう。
わします。
ここには、物件の概要や価格、手付金(148ページ回参照)の額や残金決済の方法などをはじめ、契約に違反した時のペナルティーやさまざまな取引条件などが盛り込まれます。
当然のこととして、まず注意したいのが、この契約書を締結する際には双方立ち合いのもと、しっかりとした読み合わせを行い、条文一つ一つをしっかりと理解することです。一度署名・捺印してしまうと「債権・債務」という法的な義務・責任が確定しますし、事後に内容を変更するには、一般的に利害の対立することの多い契約の相手方の承諾が必要となってしまいます。
慣れない言葉や言い回しが出てきて、ちょっと取つつきにくいことは確かなのですが、疑問や分からないことがあったら遠慮せずに質問するようにしてください。
ところで、通常の売買契約書の大部分は、あらかじめ印刷された条文にその取引ごとの金額や期日などを書き入れて作成するようになっているのですが、不動産は二つとして同じ内容のものがない個別性の強い商品ですから、ほかにその個別性に応じたオーダーメード的な契約条件を、「特記事項(特約)」として書き加えることが一般的に行われています。
例えば、フローリングへのリフォームエ事が階下住民の反対などで不可能になった場合は契約そのものを白紙解約するといった条件もあるでしょうし、同じく隣接地から確定測量図を取り付けることができない場合は契約を白紙に戻すといった条件もあるでしょう。
また、ローン条項や買い替え特約なども、この特記事項に含まれることになります。
こうした条件を口約束だけにしておくことで生じるトラブルは枚挙にいとまがありません。
売り主と買い主、不動産会社も必ず書面化したうえ、契約当日に再確認するようにしてください。
特約を結ぶに当たって重要なのは、万が一条件がかなわなかったその場合にどうするかを明確にしておくことです。
これをあいまいにすると、特約もその効果を発揮しないことになるでしょう。
売買契約から引き渡しの間に授受される手付金は、購入代金の一部を前もって支払う、いわゆる単純な頭金ではありません。
一度結んだ契約は、この手付金を放棄して初めて解約が認められる「解約手付」という性格を持つものです。
買契約書の中に盛り込まれる手付金は、通常、取引の対象となる不ワロ動産価格の5%から10%、場合によっては20%を買い主から売り主へ支払うこととされています。
不動産売買に馴染みが薄い買い主は、この手付金をいわゆる売買代金の頭金、もしくは内金ぐらいに単純に考えがちですが、実は、締結した売買契約を解除する場合にはこの金銭の放棄を求められる、契約解除を担保するための「解約手付」という重要な性格を持つ金銭であることを覚えておいてください。
不動産取引では、買い主あるいは売り主どちらか一方が契約の履行に着手するまでは(買い主の場合は中間金の支払いなど、売り主の場合は対象不動産の移転登記の申請などを行うまでは)、買い主は手付金を全額放棄することで、売り主は手付金の倍額を支払うことで、ともに一度結んだ契約を解除できるとされています。
逆に言えば、買い主に急な転勤や親族の死亡といった突発事態が発生したとしても、この手付金を放棄しなければ売買契約は解除できず、その不動産を購入しなければならないことになるわけです。
一般に不動産取引では、売り主・買い主双方とも前に進むことだけを考えて行動や判断をしがちになり、契約解除などは頭の片隅にものぼらないのが普通でしょう。
何が起きるのか分からないのが不動産取引です。
たとえ3,000万円の物件でも、手付金が価格の5%なら150万円、20%なら600万円と、契約の解除には相当大きな負担が伴うことになりますから、慎重な取り扱いと考え方が必要です。
なお、売買契約の中には、決めた期日までに物件の引き渡しや残金決済などができなかった場合に、相手の損害に対して支払う「違約金」の額を定める場合もあります。
この額を一度決めると、実際に生じた損害額がいくらであれ、支払わなければならないことになりますから、こちらも設定額には慎重な対応が求められます。
何らかの理由で契約の履行にちょっとでも不安があるような場合には、不動産会社にあらかじめ相談しておかないと、手付金にしる違約金にしろ、とんでもない損失を被ることになりかねないということなのです。
不動産会社から、「頭金はお貸しします」と言われたらどうしますか。
不動産取引でいう頭金とは解約に備える手付金であると同時に、こうした信用の供与も禁止されています。
解除するために準備する「解約手付」という性格の手付金を準備する必要があります。
この手付金は中古物件で売買価格の5〜20%になりますが、人によっては自己資金不足でこの金額が用意できず、気に入った不動産の購入をあきらめなければならない事態が考えられます。
こうしたときに仲介などを担当する不動産会社が、「お金がないのなら、手付金(頭金)はこちらでお貸しします」と言って、または、「当社が保証人になりますから手付金の分もローンを組んだらいかかがでしょか」などと、資金不足に悩む買い主にとっては天からの声にも似た"有り難い”申し出で、売買契約の締結を誘引するようなケースがまれに見受けられるようです。
ところが、こうした不動産会社の誘いは違法行為に相当しますから、うっかり乗らないような注意が必要です。
なぜならば、宅地建物取引業法は手付金の貸し出しや信用の供与などによって契約を誘引することを禁じているからで(47条)、たとえ契約が成立しなくても違法行為と見なされます。
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